ジェラードの自伝の読書感想文、前回はプロローグとチャプター1を取り上げました。
プロローグではあの辛すぎるスリップ直後の場面を回想し、CHAPTER 1 移籍騒動では、自身が移籍に揺れていた時の心境を語るのかと思いきや、スアレスの移籍騒動のゴタゴタの裏側を語るという意外な展開。それはそれでキャプテンの苦労の一端が垣間見える興味深い話でしいたが、果たしてCHAPTER 2では何を語るのか・・・
CHAPTER 2 変化の季節(シーズン)
まあ、あれだけ長くいたら、いろんな変化がありますわな。
タイトルからは、キャリアのターニングポイントとなるような重要な1シーズンを語るのかと思いましたが、違いました。
チェルシーにアブラモヴィッチがやってきます。ジェラードも最初はどこまで本気か分からなかったようです。
実際、あの当時、得意満面の顔でスタンドで観戦するアブラモヴィッチは経営者というより、金持ちの道楽といった雰囲気でしたね。
よくメディアにも露出してたけど、最近はあんまり見ないな。どうやら最近は一歩引いた、いい経営者になってるみたいです。
さらにマンチェスター・シティも潤沢な資金を手にして、プレミアリーグ制覇の大きな壁となる。
一方のリヴァプールはというとヒックス&ジレットの泥沼経営。
FSGに引き継がれホッと一息。
しかし資金力はチェルシー、シティには遠く及ばず、プレミアリーグ制覇は困難を極める。
思えば、ジェラードがキャプテンを務めた時代は、プレミアリーグ、リヴァプールにとって重要な転換期の時期だったんですね。ジェラードもまた時代の流れに翻弄されていたのかも知れません。
もし、もう少し生まれてくるのが早かったら、黄金時代のメンバーとして、何度もリーグを制していた事でしょう。
改めて、移籍しないでくれてありがとうと言いたいです。本当にこんな激動の時代に、ジェラードいなかったら、どうなっていたかと思うとゾッとします。
そんな怒涛の変化の季節(シーズン)ですが、最も多くページを割いていたのは、ある選手の引退でした。
ジェイミー・キャラガー
少年時代、年上のキャラガーから毎日のようにからかわれていた事、チームメイトとして常にサッカーについて語り合っていた事。して引退の決断に対する思い。
長年に渡るキャラガーとの関係が語られていくわけですが、そんな中でも「共に敗北を乗り越えてきた。」という言葉は刺さりました。
なんというか、まさに戦友ですね。
リヴァプールの苦しい時代を支えた二人。
僕もこの二人がいなかったら、今頃いっさいサッカーを見ていないかもしれません。本当にありがとうございました。
場面が変わり、13-14シーズンの開幕戦の回想へ。ミニョレがPKストップの素晴らしい活躍を見せる分けですが、「パスを出す場面になると90分通して不安定だったし、最初のクロスの処理にも手間取っていた。」という記述も。
ええ、ですよね。
おなじみのミニョレです。
ただスティービー、今のミニョレを見てやってください。
他にもロジャース前監督や、今はクラブを離れているフィジオのトップ、クリス・モーガンへの信頼についても触れられています。
二人とも色々なめぐり合わせで、クラブを離れる事になりましたが、選手からの信頼は厚かったようだし、残してくれたものも大きいことでしょう。ありがとうございました。
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