クロップ政権思い出話②-背中の痛み

2024-05-26

9年間のクロップ政権。「ああ~そんなこともあったねえ」っていうニッチな思い出を振り返っていくこの企画。
第2回目は当時のクラブ関係者及びファンたちを震撼させ、混乱の極みに叩き落したあの事件です。

【宣伝】リヴァプールどころか、サッカーにすら全然関係無いんだけど本出しました。


フェリペ・コウチーニョ。
2013年にリヴァプールに加入すると、それ以前の鳴かず飛ばずっぷりが嘘のようにアタッカーとしての才能が開花。
中心選手として立ち位置を確固たるものにし、クロップ政権でも欠かせない選手だと目されていました。

メガクラブが狙っているという噂が後を絶ちませんでしたが、コウチーニョ自身は常にリヴァプールで幸せだと、地に足のついたコメントをしていたし、バイアウト条項無しの長期契約にもサインしていました。
それでもラブコールが後を絶たず。2017年夏。ついにバルセロナが本腰を入れて動き出しました。

これに対し、リヴァプールはコウチーニョは非売品だという異例の声明を発表。はい~一件落着。よっしゃ!今季はCLもあるし頑張ろーぜーなんて思ってたら…

開幕前日。

なんとコウチーニョからのトランスファーリクエストがさく裂。

え?え?え?明日開幕なんですけど?
まさかまさかの事態にファンは阿鼻叫喚。クラブ首脳陣の衝撃も相当なものだったことでしょう。当然、「はい、そうですか」と認めるワケにはいかず。

そんな中で登場したのが、かの有名な「背中の痛み」。

「痛たた。なんか背中痛い。痛いから無理っす」
てな感じでコウチーニョはチームを離れてしまいました。なのにブラジル代表にはシレっと参加。ブラジルのチームドクターからは「痛みはストレスによるもの」という説明がありました。

え?リヴァプールが悪いってこと?

「コウチーニョを解放しろ」だの「選手の意志を尊重しろ」だの、まー叩かれましたねえ。
バルサファンだけじゃなく、プレミアの他のクラブのファンからもフルボッコにされてた記憶。

「ストレス感じてんのはコッチだよ!」

と、背中の痛みを訴えるKOPが続出したとかしないとか。

で。ストレスから解き放たれたお陰なのか、コウチーニョ君。ブラジル代表の試合に出てみたら、まあ絶好調。
ゴール決める。そして泣く!

え?なんで?

「泣きたいのはコッチだよ!」

と、全世界のKOPから総ツッコミが入ったとか入らないとか。

結局、代表ウィークが終わるとコウチーニョはリヴァプールに帰還。一応、元の鞘に収まった形になりました。
これが「背中痛い事件」の全容ですが、騒動には続きがありました。

2018年1月。ケガだかなんだかで、シレ~といなくなったコウチーニョ君。そしたらバルサ移籍が決定してました。
まあ、いずれいなくなるだろうとは思ってたから、あまり驚きはしなかったけど、またバックレかーい!
ここで多分、アンフィールドに渦巻く生霊たちの恨みを買っちゃいましたね。

そして彼に大災難が。
2019年5月。チャンピオンズリーグ準々決勝2ndレグ、リヴァプールvsバルセロナ。
1stレグを3-0で完勝していたバルセロナは意気揚々とアンフィールドに乗り込んできました。そしてこんな写真。

コウチーニョとスアレス。元リヴァプールコンビがエンブレムの前でパシャリ。本人らからすれば思い出に浸ってるだけかもしれんけど、状況が状況だけに煽ってるようにしか見えん!
いいのかな~。ただでさえ怨念渦巻くアンフィールド。あんまりスタンドの厄介KOPたちを刺激しない方が…

結果はご存じの通り。世紀の大逆転劇でリヴァプールが決勝進出。コウチーニョとスアレスは特大のブーメランを喰らうハメになりました。
あの時のスタンドの雰囲気、たぶん「コウチーニョこんちくしょーめ!」みたいな感情も含まれていたよなあ。燃料投下サンクス!

その後のリヴァプールの栄光の旅路については、言うまでもありませんね。
一方のコウチーニョ。リヴァプール時代の輝きは消え失せ、失意の中でバルセロナを去ることに。31歳の今、カタールでプレーしています。

明と暗がくっきり。あまりにも対照的だから、コウチーニョが人柱になったんじゃないかって説もあるとかないとか。冗談はさておき、コウチーニョが莫大な移籍金を残してくれたお陰で、ファン・ダイク、アリソンといった勝つために絶対必要な選手を獲得できたんですよね。実際、彼の貢献は大きなものでしょう。
色々な感情があるけれど、もういいんじゃないですかね。例えば、レジェンドマッチに出てきたとしても歓迎できると思う。
「あれれぇ?背中痛くないのーwww」とかイジくり倒すとは思うけど。

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