【読書感想文】ジェラード自伝 その8

2017-06-25

ジェラードの自伝の読書感想文、チャプター8。
マンチェスター・シティを撃破し、いよいよ現実的なものとなってきた優勝。勝った後の円陣、ジェラードの涙はファンにとって非常に幸福なものでした。しかしついに、あの日がやってきます。

CHAPTER 8 スリップ

なんとまあダイレクトな・・・
出来れば思いだしたくない場面ですが、一番思い出したくないのはジェラードでしょう・・・。

チェルシー戦を二日後に控えた金曜日。眠れないジェラード。
緊張ではなく体の痛みによって・・・

衝撃的でした。ピッチではあんなに元気に走り回っているのに、30代になってからは万全の状態で試合に出た事は、数回しかなかった、と。

起き上がることすら辛い状況だけど、何とかして試合に出たい。夢にまで見たリーグ優勝がすぐそこにある。

リヴァプールで優勝する。
その事を思いながら、移籍に揺れた日々の事を回想するジェラード。

移籍を決断しかけたチェルシー。監督も当時と同じモウリーニョ。
ジェラードは本当にモウリーニョのことを高く評価しているようですね。
今でこそ、結構ボロを出す場面も多く見ているので、意外な感もあるけど、当時は本当に完全無欠なイメージもあったかもしれません。
モウリーニョがリヴァプールの監督なってくれればいいとさえ願ってもいたようです。

ユルゲン・クロップという素晴らしい指揮官を得た今だからこそ、言えることかもしれないけど、リヴァプールにモウリーニョは来て欲しくないなあ・・・チームを長期的なビジョンで育てられる人がいい。

知ってのとおり、ジェラードの願いは叶う事は無く、それどころかモウリーニョは現在、宿敵マンチェスター・ユナイテッドの監督。
モウリーニョが指揮するユナイテッド。
ジェラードがいたら、どんな思いで、戦いに臨んだのでしょう。
見てみたかった。モウリーニョ・ユナイテッドを粉砕するジェラードを。

さらに自身のオウンゴールもあり、敗れてしまった、チェルシーとのカップ戦決勝や、フェルナンド・トーレスの移籍など、悪い事を次々と思い出していきます。
思えばチェルシーとは様々な因縁があるものですね。

そしてあの日が・・・
ボロボロの体をなんとか誤魔化しピッチに立つジェラード。
さすが、モウリーニョのチェルシーともいうべき鉄壁の守備を崩せず、時間だけが経過していきます。

そして前半終了間際、あの瞬間。
痛恨のスリップ。

ハーフタイム。あの不屈のジェラードでさえ、ロッカールームで燃え尽きていたと語っています。

しかしジェラードを慰め、他の選手を奮い立たせ、反撃を試みる監督、必死に勝ちに行く選手達、そして声を枯らして応援し続けるファン達がいます。
まさにYou’ll Never Walk Aloneですね。
特にあのシーズン、最後まで諦めずに応援し続けたファン達は素晴らしかった。

敗北に打ちひしがれるジェラードですが、普段からメンタルのケアを担当している精神科医のアドバイスもあり、なんとか立ち直ります。
しかし僅かな望みをかけて臨んだクリスタル・パレス戦でまさかのドロー。

思えば今のパレスに対する苦手意識は、この時からでしょうか。
号泣するスアレス。寄り添うコロの優しさが胸に染みます。

スアレスの闘志。彼がいなければ間違いなく、優勝を夢見る事すら出来なかったでしょう。そしてスアレス自身もジェラードと同じくらい優勝を夢見ていた。メンタリティの部分でも稀有な選手ですね。
噛み付きに関しても、闘志が間違った方向に働いてしまったと、ジェラードも擁護しています。
確かにああいった行動は徹底的に勝ちに拘る姿勢と表裏一体なのかもしれませんね。

そしてコロ。彼もまた得難い選手です。自分が試合に出ていないのに、傷ついた選手をそっとフォローしてやるというのは、なかなか出来る事じゃありませんね。
彼が去り、今年、もしかしたらルーカスが去ってしまうかもしれません。こういう良き兄貴分の選手も絶対必要だと思いますが、どうなるか。

とにかく悲しく悔しい。そんな章でした。
チェルシー。来シーズン、改めてボコボコにしてやりましょう!
スタリッジ、そして新加入のソランケ、サラーというチェルシーで輝けなかったトリオで粉砕できたら最高。

それからパレス!
いつまでも調子に乗らせておくわけにもいかないでしょう。

ダブル食らわせてやりましょう!

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