【読書感想文】ジェラード自伝 その9

2017-06-28

ジェラードの自伝の読書感想文、チャプター9。チャプター8では、あの痛恨のスリップ。そして優勝を逃して締まった時の事が痛々しく語られました。
しかし落ち込んでいる暇は無く、もう一つの戦い。ブラジルワールドカップが始まります。ジェラードにとって最後の代表戦。キャプテンとしての思いが語られます。

CHAPTER 9 イングランド代表ー希望

キャプテンとしてイングランド代表の合宿に参加するジェラード。
クラブと同様、キャプテンにはプレーする事以外にも役割があります。
メディアへの対応もその一つ。
「イングランド代表」のキャプテンとして記者会見に臨みますが、浴びせられる質問は代表とは無関係、そして無神経なものばかり。
あのスリップについてです。
決して愉快なものではなかったと思いますが、大人の対応で乗り切ります。

目の前のワールドカップに集中していると語り、過去の代表の試合の回想へ。
2006年のドイツワールドカップ、ポルトガル戦。ウェイン・ルー二ーが退場になり、クリスティアーノ・ロナウドがウインクを見せ、イングランドがPK戦の末に敗北したした試合です。
かなり大きく取り上げられた出来事だったので、試合後のバスの中でのルーにーとのやりとりは非常に興味深いものかもしれませんね。

ジェラードも大舞台でのPKには苦い思い出もあるようで、過去の失敗や、キーパーと対峙した時の緊張感、失敗したときの絶望感。後に続く選手に託すしかないという焦燥感を語っています。
リヴァプールでは安心感のあるPKを蹴っていたので、意外にも思いましたが、そりゃそうですよね。

2010年の南アフリカワールドカップ。当時イングランド代表の指揮を執っていたのは名将ファビオ・カペッロ監督。
ジェラードは彼の実績を認めながらも、相性は良くなかったのか冷淡だと毒を吐いています。また他の選手の聞いてやらないといけないといった愚痴もこぼしています。
カペッロ政権時代は選手、監督、協会とさまざまなところに溝があり、緊迫した状況だったようです。
それらを取り持たなければならないキャプテンは大変です。クラブのキャプテンとはまた違った苦労がありそうですね。

そして2014年。監督はロイ・ホジソン。あ・・・うん。
リヴァプールのファンでこの監督にいい印象を持っている人はほとんどいないと思いますが、ジェラードは本当に敬愛しているようです。

「人格者で、稀に見る正直な男」と評しています。
人格者かあ・・・
監督というのはチームを勝たせるのが、まず仕事だと思いますが、選手に対するアプローチの仕方は人それぞれ。
選手によってどんな監督を求めるのかも違ってくるのかもしれませんね。

ジェラードはカペッロ監督だけでなく、共に栄光を勝ち取ったベニテス監督でさえ、冷たいと評しています。
一方、ロジャース監督については戦術と共に人格についても大いに賞賛しています。
ジェラードは監督に対して人間的な温かさを求めるキャプテンなのかもしれないですね。
その点ではホジソン監督と相性が良かった。
ただ勝たせてくんなきゃなあ・・・
こんな事を考えても今さら意味はありませんが、ジェラードとクロップはさぞかし相性が良かっただろうなあ・・・

ホジソン監督を敬愛するジェラードは、彼のリヴァプール時代の手腕についても擁護しています。
当時エースのフェルナンド・トーレスの心は既にリヴァプールには無く、フロントは泥沼の法廷闘争。誰がやっても同じだと。
そうですね。確かにそうかもしれません。
なんとかホジソン監督の力になりたいと悪戦苦闘するジェラード。
しかしここまで戦術に関する賞賛は無し。

そしてワールドカップ開幕。イタリア戦の直前。非常に代表チームは非常にいいムードだったようです。
しかしそこに一抹の不安が。突如として戦術が変更になります。
直接的にでは無いにせよ、それに対する疑問と不安を口にするジェラード。
あ、やっぱり。。。

ホジソン監督、人間的には本当に素晴らしいんでしょうね。人間的には。

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