ジェラードの自伝の読書感想文、チャプター10。イングランド代表キャプテンとしてブラジルワールドカップに臨むジェラード。チャプター9ではファンからすると、ちょっと意外なホジソン監督への絶対的な信頼を語りました。
そしてこの章ではついに、ジェラードの代表としての最後の戦いが始まります。
CHAPTER 10 イングランド代表ー終焉
ブラジルワールドカップ、イタリア戦。
イングランド代表の先発にはリヴァプールの選手が5人も名を連ねます。
ジェラードの他、グレン・ジョンソン、ジョーダン・ヘンダーソン、ダニエル・スタリッジ、そして、えーと・・・ラヒーム・スターリング。
一方イタリアには数ヵ月後にはチームメイトになる、マリオ・バロテッリの名が。
ジェラード曰く「支離滅裂だが際才能豊かな」うん!その通りだ!
この時は一緒に戦う事になるなんて夢にも思わなかったろうなあ・・・
相手チームのキャプテンはアンドレア・ピルロ。ジェラードとはチャンピオンズ・リーグの決勝を二度も戦った因縁浅からぬ仲。
握手をして、軽く頷きあうという件は胸が熱くなりました。
どちらの選手のファンでなくても、サッカーが好きな人であればグッと来る場面ではないでしょうか。
試合はイタリアの先制を許すも、スタリッジのゴールで同点。しかしバロッテリに勝ち越し点を許し、1-2の敗戦。
バロちゃん・・・それリヴァプールでやってよ。。。
引き分けで御の字の試合。若いイングランドは張り切り過ぎたと反省を口にするジェラード。
しかし落ち込んでいる.場合ではありません。
次の対戦相手はウルグアイ。ルイス・スアレス。
負傷でイングランド戦の出場が微妙な状況なスアレス。しかしその影響力は絶大です。スアレスの影を恐れていたのでしょうか。会見で柄にもなく、スアレスを挑発するような発言をするホジソン監督。
それを聞いたジェラードはまずいなと思ったようです。
これはスアレスにとってイングランドを倒すための、モチベーションの一つになるだろうと。
ジェラードは次の試合でスアレスが出てくる事を確信していたようで、チームメイト達にスアレスへの対策を語ります。
一様にうなずくチームメイト達。
イングランド代表のほとんどはプレミアリーグでプレイする選手。スアレスの恐ろしさはイヤというほど分かっている事でしょう。
案の定、先発で復帰してきたスアレス。序盤はまだ本調子ではない彼を、なんとか抑える事が出来ていましたが、一瞬の隙を見逃さないのがスアレス。先制点を奪われます。
仲間達に祝福されるスアレスを見守るジェラードが切ない。
ルーニーのゴールで何とか前半のうちに追いつくも、後半・・・牙を剥いたのはまたしてもスアレス。
決勝ゴールとなる2点目。
1-2。イングランドの敗戦。グループリーグ敗退決定です。
ジェラードとスアレスが握手を交わすシーンは、リヴァプールファンとしては実に複雑な心境になりますね。
クラブでは最強のコンビなのに、ワールドカップという大舞台で、はっきりと勝者と敗者に分かれてしまっている。
ジェラードは空虚な気持ち。ジェラードの頭に手を置いたスアレスはどんな気持ちだったのか・・・。
イングランド代表キャプテン、スティーブン・ジェラードに引導を渡したのが、よりによってスアレスとは・・・。ジェラードのキャリアを振り返る時、何度となく思いますが、運命は残酷ですね。
敗退が決まり、ブラジルを去ることになったイングランド代表。しかし、まだ気持ちの切り替えは出来ていないようで、代表への熱意、後悔、様々な思いに囚われ鬱々とするジェラード。
そんな中であの事件を知る事になります。
スアレスの噛み付き。その事実を受け入れる事が出来ないままこの章は終わります。
リヴァプール勢にとっては本当に散々なワールドカップとなってしまいました。
ブラジルワールドカップ。つい最近の事なので、記憶も鮮明ですが、開幕前はスアレスの怪我の事が心配で、復活したと思ったら噛み付き。決勝トーナメントより噛み付き事件のその後の方が、気になって仕方ありませんでした。
日本代表も振るわなかったし、スアレスに振り回されたワールドカップだったと記憶しています。
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