【読書感想文】ジェラード自伝 その4

2017-06-06

ジェラードの自伝の読書感想文、チャプター3ではリヴァプール同様、キャプテンを務めた、イングランド代表への思いを語り、この章でも代表の話題が続きます。
そして章のタイトル、「新たなポジション」。これは分かり易い。あの事ですね。

CHAPTER 4 新たなポジション

リヴァプールの選手と同じくらい代表の選手にも憧れて、ストリートでボールを蹴っていた少年時代。
普段はリヴァプールの敵となる選手でも代表となると、話は別のようです。
面白かったのはマンチェスター・ユナイテッド所属の代表選手のユニフォームを着ていたら、父親に怒られたというエピソード。結局、家の中ではいいけど、外では絶対ダメだということに。
世間体ってヤツですね。

「まあ、ジェラードさんちの子ったら、ユナイテッドのユニフォームなんか着ちゃって!」

こんな事になったら大変です。

無邪気に代表に憧れていたジェラード少年に、やがてアンダーカテゴリーの代表スクールに入団するチャンスを得ますが、落選。
サッカーを辞めようかと思うほどに、落ち込むも、父親に励まされ何とか立ち直り、その代表スクールとのエリート達の試合では、ナニクソという思い出大活躍。
エリート達が列を作って握手を求める程の、際立ったパフォーマンスを見せたとか。

もしかしたら、この時の挫折が、ここぞという時に大きな仕事をする、あの強靭な精神力を育んだのかもしれませんね。
代表のエリート街道を歩めず、リヴァプールのためだけにプレーした少年時代が、あれだけのクラブ愛を培ったのかも。

そして代表スクールの選手達とは握手を交わしながら、自分を落としたコーチ達とは一言も話したくないという強情さも培ったようです。

エリートコースでは無かったもの20歳で、初めて代表に呼ばれると、主力メンバーへと成長。そしてキャプテンを任されますが、やはり結果が付いてこないイングランド代表。
悔しさを噛み締める一方で、メディアの代表への扱いに対しては、冷静な意見を投げかけています。
代表が過剰に英雄扱いされ、戦う前から持ち上げられるのは、日本も同じですね。考えさせられます。

そして負けたときのバッシングは日本の比ではないのでしょう。国を背負って戦うというのは、凄まじいプレッシャーとの戦いでもあるはず。
それでもやはり、代表として戦いたい。

観る側からすると代表戦は、リーグが中断するし、選手が怪我して帰って来るしで、いい事無いじゃんという思いもありますが、選手達の思いを考えると、蔑ろに出来ませんね。

代表でも、やはりキャプテンという役割に対する、思いは強いようで、キャプテンを外したピアース監督を名指しで批判。
大丈夫か?ジェラード、自分の影響力を舐めてるんじゃなかろうか?
ピアース監督、KOPにボコボコにされないか心配です。

一時的にキャプテンを外れるも、すぐに戻り、ブラジルワールドカップ出場を決定付けるゴールを決めたところで、代表の回想は終わり。

リヴァプールに戻っても、ファーがソンに名指しで批判されて落ち込むヘンダーソンを慰めたり、スアレスとスタリッジの関係性を気に掛けたりと、キャプテンとしての日々が続きます。
一方では、自らのプレーに納得がいかないジェラード。

ロジャース監督に相談します。そう、これが「新しいポジション」、アンカーに挑戦する切っ掛けになります。

この一連のやりとりの回想を読むと、ジェラードはいかにロジャースの事を信頼していたかが、よく分かります。
退団の経緯を考えると、ギクシャクしていてもおかしく無さそうですが、そういった事は無いようです。
ピアースの例もそうですが、言うときは結構はっきり言っちゃってるので、リップサービスという事もなさそうです。

ロジャース・・・最後は追い出されるようリヴァプールを去りますが、能力的にも、人間的にも素晴らしい監督だったのですね。
一度歯車が狂ったチームを立て直すには、経験値が足りなかった。それだけかも知れません。
今シーズンはスコットランドのセルティックを率いて、圧倒的な強さで優勝しました。そうしてどんどん経験を積んで、真の名将へと成長していくのかもしれませんね。

そんなロジャースのマネジメントも功を奏し、チームは上り調子。ジェラードがキャラガーと話ながら、今度こそは希望を抱き始めるところで、この章は終わります。
その希望の結末を知ってるだけに切ない。

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