
まあ・・・まあ勝ちました。
早朝、アウェイ、プレントン・パークで行われたプレシーズンマッチの第2戦、トランメア・ローヴァーズとの試合が3-2でリヴァプールの勝利。
勝つには勝ちましたが、どうもモヤモヤの残る内容となってしまいました。

リヴァプールと同じく、マージ―サイド州に本拠地を置く、ローヴァーズ。
スタンドには多くのKOPの姿が見られましたが、プレシーズンマッチという事で、エヴァートン戦のような熱気は無く、スタジアムはのどかな雰囲気に包まれていました。
マスコットのマイティ・レッド君は、ローヴァーズのマスコットの犬と記念撮影。
FC Liverpool Vs Tranmere Rovers game has just begun. Made lots new friends. ALLEZ ALLEZ ALLEZ! pic.twitter.com/FPcKAjTy8f
— Mighty Red (@MightyRed_LFC) 2018年7月10日
このワンちゃん、正面から見ると結構猟奇的な顔してるんですね。
Rover the Dogっていうらしいです。そうですね。それ以外の何者でもない。そして口調は絶対「~だワン!」でしょう。
躍動の前半

前の試合は病欠だったアダム・ララーナが登場。キャプテンを務めました。
新シーズンに向けて、気合を入れるためでしょうか。髪型がワイルドになってます。
若干田舎のヤンキー臭がするメンタルコントロール術ですが、似合っているからよしとしますか。
First appearance of the season for our @NBFootball away kit… 💜
Watch Tranmere vs Liverpool live via @LFCTV GO: https://t.co/BxfzKkm3b4 (available worldwide) pic.twitter.com/FQXw7TsFwB
— Liverpool FC (@LFC) 2018年7月10日
そのララーナ。
昨シーズンは負傷により、本来の姿を見せる事が無いまま終わってしまいましたが、この試合では華麗なテクニックが戻っていましたね。
左サイドでのアンドリュー・ロバートソンとの連携も冴えていました。ロボも出色の出来でしたね。
一方の右サイドでもラファエル・カマーチョとシェイ・オジョの組み合わせが効いているようです。
オジョがラインギリギリでボールを受けると、トラップは若干大きくなってしまいますが、なんとか粘って残すとボールを中央へ。そこにカマーチョが走り込みシュート。
1-0。

カマーチョ、チェスター戦で活躍したカーティス・ジョーンズと同じく、アカデミー出身の17歳。
アーノルドに続き、10代でのブレイクとなるでしょうか。
さらにオジョ。
細かいボールキープで相手を翻弄し、狙いすましたシュート。

2-0。
そんなのも出来たのか!
カマーチョとオジョ。もっと高いレベルの相手に対してどこまでやれるかは未知数ですが、良いアピールが出来たのではないでしょうか。
ライアン・ケント、ドミニク・ソランケあたりは結果を出そうと逸っているのか、空回りしている印象がありました。
各選手が開幕へ向けてアピールに奮闘する中、やはりこのチームでのプレイでは一日の長ありか、ララーナ。
ナビ・ケイタとロボの連携ど一度は崩すも、ゴール前で何人もの選手が、ボールに絡むもなかなか入らずワチャワチャしていたところ、最後確実に仕留めました。

3-0。
彼我の戦力差は明らかですが、ローヴァーズもなかなか健闘しているようで、時折鋭い攻撃が見られます。
やはりマージ―サイド・ダービー。黙ってやられるワケにはいかないのでしょう。
あわや失点という場面もありましたが、ダニー・ウォードが横っ飛びのナイスセーブ。
ローヴァーズの皆さん、熱くなるのは結構なんですが、荒い!
絶対怪我さすなよ!そういう熱さはいらないから!エヴァートンだけでも迷惑してんだよ、ったく。
守備には少々危うさを感じたものの、3-0での折り返しはまずまずの結果でしょう。
ガタガタの後半

メンバーを全員入れ替えて臨んだ後半。
相変わらずのどかな雰囲気です。
ピッチサイドを疾駆するアルベルト・モレノ。
スタンドで楽しそうに並走する子供。
チラ見するモレノという微笑ましい光景もありました。
ローンに出ていた選手や負傷していた選手が多い事もあってか、チーム全体がチグハグな印象。
そんな中でも光っていたのがナサニエル・クライン。
チェスター戦に続き、キレのある動きを見せていました。
単独で攻め上がってシュートまで持っていくという、怪我前でも、あまり見られなかったプレーも。
しかしアタッカー陣はどうも精細を欠いていましたね。
ディボック・オリギは体のキレ自体は悪くなさそうでしたが・・・
そして次の得点はローヴァーズに。
直接フリーキック。ロリス・カリウスの正面でしたが、キャッチミス。ボールを落としたところに詰められ、失点。
3-1。
これはやってしまった。
さらにミスが続きます。
最終ラインでのペドロ・チリヴェジャの不用意なパス。これを掻っ攫われ、そのままシュートまで持っていかれます。
3-2。
残り時間は僅か。
なんとかもう1点。
いい形は何度かありましたが、ゴールは生まれず3-2で試合終了。
勝つには勝ちましたが、先制すれど凡ミスで取り返され、その後打てども打てども入らずという、典型的な悪い時のリヴァプールでした。
良かった点もいくつかありましたが、ソランケ、オリギと結果が欲しいストライカーの2戦連続不発、未成熟な連携、失点に直結するミス2つと、反省点の方が多い試合でした。
特にミス2つの印象は良くないですね。
なんとかリヴァプールのトップチームでチャンスを掴みたいチリヴェジャにとって、痛恨だった事でしょう。
しかし正守護神のカリウスのミスの持つ意味は、それより遥かに重い。
既に多くの批判の声が上がっています。
補強を求める声も、さらに大きくなっていく事でしょう。
正面に飛んできたボールの処理を誤っての失点。どうしてもCL決勝の二つ目のミスを思い出してしまいますね。
もしかしたらトラウマになってしまっているのかもしれません。
新シーズンもカリウスを正守護神に据える事が確定しているという噂も聞こえてきていますが、シモン・ミニョレの去就も不透明な中、それは危険過ぎますね。
ウォードも以前から、試合に出るといいプレーを見せているようにも思えますが、カリウス、ミニョレが不安定な中でも起用されて来なかった事を考えると、まだ足りないものがあるのかもしれません。
やはり補強は必要に思えますね。
あまり責め立てるような事はしたくはないけど、ミスが続いているのにポジションが確約されているという状況も健全とは思えません。
カリウスには高いレベルのポジション争いの中で立ち直っていってもらいたい。
幸いまだ7月の半ば。
問題点を修正するにも、カリウスが立ち直るにも、新たなGKを連れてくるにも、時間は残されています。
試合後、去年はピッチに続々とファンが降りてきて選手と交流するという光景がみられましたが、さすがにセキュリティ的にマズかったか、今年はスタンドに残ったままでした。
仕方ないけどちょっと残念。
しかし、ローカルでのどかな空気はそれなり楽しめました。来年は内容も文句なしの笑顔のマージサイド・ダービーになるといいですね。