嗚呼、何処へゆくワンダーなんとやら

2017-11-17

かつてワンダーボーイとして一世を風靡したマイケル・オーウェン。
アカデミー出身でリーグ得点王、2001年のカップトレブルに大きく貢献、さらにはバロンドール受賞。かなり高位のレジェンドのはずですが、宿敵マンチェスター・ユナイテッドに移籍などが原因で、ファンからいま一つ愛されていません。
今年5月にはユナイテッドの事を「我々」と表現して炎上。大使解任の署名運動にまで発展しました。その時の記事はコチラ

あれから約半年の月日が流れ、さすがにファンの怒りも沈静化・・・と思いきやまだやってました。
というか新たに燃料を投下してしまったようです。
2009年、夏。ユナイテッドはカリム・ベンゼマの獲得を検討していました。しかしベンゼマはユナイテッドではなくレアル・マドリードへ。
ターゲットを切り替えざるを得なくなったユナイテッドがオーウェンを獲得。
この事についてオーウェンはベンゼマに感謝しているという旨のコメントを出してしまいました。これによってファンの怒りが再燃。またしてもアンバサダーの地位が危うくなってきているようです。

そりゃあ、ダメでしょう・・・仮にもリヴァプールのアンバサダーが・・・

嗚呼、元ワンダーボーイよ。彼は一体、何処へ向かっているのでしょう。彼のWonder[驚くべき、素晴らしい]キャリアを振り返ると共に、未来についてもちょっとだけ考えてみました。

ワンダーボーイ

リヴァプールのアカデミーで育ち、わずか17歳でトップチームデビュー。次のシーズンには得点王になり、ワールドカップでも大活躍。ワンダーボーイ、マイケル・オーウェンの名を全世界に知らしめます。
リヴァプールでも絶対エースとして君臨。極めて順調なキャリアのスタートです。

ワンダーお兄さん

バロンドールも受賞しイケイケ状態。そんな中、訪れた2002年、日韓ワールドカップ。
ユナイテッドのトサカ頭の人ほどではありませんでしたが、日本でも大変な人気を博します。

2004年の夏にレアルに移籍。エースを失ったリヴァプールですが、なんとその年にチャンピオンズリーグを制覇。

一方のオーウェンはというと、レアルでまずまずの成績を残しますが、先発出場の機会は少なく1年でニューカッスルへと移籍。順風満帆のキャリアに影が差し始めます。
ニューカッスルでは度重なる怪我に悩まされ、思うような結果が残せませんでした。そして契約最終年にニューカッスルは降格。

ワンダーおっさん

フリーで移籍先を探すおっさん。手を上げたのはなんと宿敵、マンチェスター・ユナイテッド。
直接ではないとはいえ、禁断の移籍です。
当然リヴァプールファンは激怒。これは選手としてのキャリアだけでなく、人生において大きな代償を支払う決断だったかもしれません。

ユナイテッドでも怪我に悩まされ大したインパクトは残せぬまま、ストークに移籍。そして2013年、現役を引退します。

ワンダー馬主

幼い頃から馬に親しみ、しかも極度のギャンブル好きという事で競馬に目が無いオーウェン。
馬主になったところ、凄くうまくいってしまったようで、経営は極めて順調。自らの厩舎まで持っています。

ただし勝負師としての勘は無いらしく、既に10億円以上スッているという噂も。稀代のゴールハンターのはずなのに・・・移籍がことごとく裏目に出ているところを見ると、意外とここ一番の嗅覚は乏しい!?

馬主だけでは飽き足らず、今月24日には騎手としてチャリティーレースに出走する予定だそうです。
ここ何年もパッとしない元ワンダーボーイ。ワンダージョッキーとしては、いいところを見せられるでしょうか。

ワンダー解説者

最初の炎上、「我々」発言は昨シーズンのヨーロッパリーグ決勝、アヤックスvsマンチェスター・ユナイテッドの試合に解説者として出演した時のものです。
ユナイテッドOBとして、イングランド人として決して間違いではないのですが、軽率でしたね。いわゆる失言というヤツでしょう。

188cmのジョー・ゴメスの事を、「CBとしては身長が十分ではない」と評する等、?な発言も。(ちなみに共に戦ったジェイミー・キャラガーは185cm。)
ちなみにWonderには名詞で不思議なものという意味もあります。まさに不思議解説者。

ワンダーアンバサダー

リヴァプールを去った後も、度々キャラガーに復帰のチャンスは無いかと様子を窺うなど、クラブ愛は持ち続けていたようです。
しかし、復帰は実現せず、レジェンドなのにチャリティーマッチに呼んでもらえかったりと、長く片思いの期間が続きますが、ついに転機が。

今年3月に開催された、リヴァプールレジェンド対レアル・マドリードレジェンドのチャリティーマッチにようやく呼んでもらえました。
そして4月にはアンバサダーに就任。ついに雪解けか・・・批判の声もありましたが、それも時が解決してくれるだろう、そう思っていた矢先でした。EL決勝での失言炎上。就任からわずか一ヶ月での解任騒動に発展します。そして懲りずに今回の失言。また炎上。

こう弁明しています。

「俺がユナイテッドのプレイした事への批判は散々受けてきたよ。
でもな、勘違いされちゃ困るから、もう一回言うけどな、俺はリヴァプールラブだよ。戻りたかったんだよ。でも無理だったんだ。だからプレーを続けるには他のクラブに行かなきゃダメだったんだ。」

こんな感じで弁明してます。
行くところがなくて困ってるところに、声が掛かったのがユナイテッドだった。プレーを続ける事が出来たという意味では、感謝しているというのは本当なんでしょう。
ただリヴァプールのアンバサダーとしては配慮に欠ける発言だったか・・・

多分、あんまり深く考えていないんだと思います。ただのワンダー、不思議君なんです、きっと。
憎しみとか通り越して、もはや面白いので、解任はしてほしくないなあ。アンバサダーとしてしばらく泳がせておけば、また何かやらかすかもしれません。それを生暖かい目で見守りたい。

ワンダー馬主として活動しつつ、ワンダー解説者として不思議発言で周囲を困惑させ、ワンダーアンバサダーとして何かやらかし、たまにはチャリティーマッチでワンダーボーイ期を思い起こさせる。そんな微妙な距離感のレジェンドが一人くらいいてもいいんじゃないでしょうか。
指導者?それはない。

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