【読書感想文】ジェラード自伝 その14

2017-09-12

回復の兆しが見えない怪我との戦いで神経がすり減らされ、次第に落ち込んでいくジェラード。
助けを必要とする彼に、チームのドクターが会うように勧めたのは思いも寄らない人物でした。
半信半疑のまま、その人物を尋ねるところから、第14章が始まります。

CHAPTER 14 サルと手紙

ある冬の寒い日、ジェラードが松葉杖をつきながら会いに行ったのは、精神科医のスティーブ・ピータース。
落ち込んではいるものの、精神科医にかかるという事に抵抗があるジェラード。
しかしピータースはジェラードが前向きになるために大いに役立つアドバイスを授けてくれます。
頭の中の非論理的でネガティブな部分を「サル」と表現し、それと向き合う方法を伝授したピータース。
彼をすっかり信頼したジェラードは、その後も定期的に面会しているようです。

ジェラードも精神科医にかかる事に抵抗があったようですが、ファンとしても驚きですね。
確かに毎週、何万人もの前でプレーし、キャプテンという責任重大な役割を担い、多くの批判に晒される。
それに加えて出口の見えない怪我との戦いによるストレス。確かに常人の何倍もの精神的な負担があるのかもしれません。
改めて何年もキャプテンを続け、多くの困難を乗り越えながら、同時に多くの失望を味わってきたジェラードに敬意を表したいと思います。

14-15シーズン。またしても怪我で長期離脱を強いられますが、ピータースの助けもあり、心を平静に保つジェラード。
怪我が癒え、出場可能な状態になりますが、監督のブレンダン・ロジャースはジェラード不在の間、好調だったチームをいじらない。つまりジェラードを先発で起用しないという決断を下します。

この決断を冷静に受け止めるジェラード。しかし、マンチェスター・ユナイテッドとの試合でも先発で起用されないと知ると、さすがに心穏やかではいられなかったようです。

2015年3月。すでに退団を表明しているジェラードにとって最後のマンチェスター・ユナイテッド戦です。
先発から外れる事を告げられ、平静を装いはしているものの心の中はささくれ立っていたようです。

リヴァプール劣勢で試合が推移。ジェラードがアップを始めるとユナイテッドのファンから、心無い野次が飛びます。怒りからサルを押さえつける事が出来なくなっていくジェラード・・・

そして・・・
後半頭から出場。その僅か38秒後にアンデル・エレーラを踏みつけた事により退場。

ファンからするとスリップと同じくらい思い出したくない悪夢のシーンですね。

もう何が起きたのかよく分からない。ただただ信じられないというのが当時の心境でした。
こうしてジェラードの口から語られると、また別の重さと痛みが圧し掛かってきますね。

まさかジェラードがこんな事になるなんて・・・とも思いました。
感情の暴発。しかしこれは不屈の闘志によってチームを引っ張ってきたジェラードだからこその結果だったのかもしれません。

まさかの退場劇から数日後。アンフィールドで、チーム・ジェラードとチーム・キャラガーによるチャリティーマッチが行われました。

ジェラード自身が本当に楽しかったと語る、このチャリティーマッチ。観ている側からしても本当に楽しいものでしたね。

ジェイミー・キャラガーとの和気あいあいとした選手選考。
妙に張り切るジョン・テリー、ティエリ・アンリ、ディディエ・ドログバといった鎬を削ったライバル達。
公式戦でそれやってくれというゴールを決めたマリオ・バロテッリ。
フェルナンド・トーレスとルイス・スアレスと夢のツートップ。後味の悪い去り方をしたトーレスにとってこの試合は、ファンに許された記念すべきものとなりました。
最高の相棒、シャビ・アロンソとのコンビ再結成。

大満足のチャリティーマッチでしたが、ジェラードには試合終了後にもう一つ嬉しい事があったようです。
テリーから手渡された手紙。差出人はジョゼ・モウリーニョ。
今まで何度もジェラードの獲得を試みてきたモウリーニョ。やはり格別の思いがあるようですね。ジェラードのキャリアを讃え、一緒に戦えなかった事を残念がる内容でした。

個人的にモウリーニョは嫌いな監督として存在し続けています。今現在はにっくきマンチェスター・ユナイテッドを率いているのだから、なおの事。

しかしスリップの時もそうだけど、ジェラードに対する優しさを見ると、人間的には嫌いになれませんね。

ユナイテッドの監督になったからには絶対無いけど、ジェラードはモウリーニョにリヴァプールの監督になって欲しかったと語っています。

うーん、どうですかね。仮にユナイテッドの監督になっていなかったとしても・・・それは、いいかな。

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