【読書感想文】ジェラード自伝 その12

2017-07-25

キャリアの晩年に差し掛かってきたジェラード。ベテラン選手ならではの悩みか、クラブとの契約について思い悩む日々が続きます。そんな中、チャンピオンズリーグは無念敗退。
重苦しい気分の中、過去の契約問題、CLの試合、様々な場面を思い起こすジェラード。そして回想はとんでもない場面に辿りつきます。今なお語り継がれる、あの事件の夜に。

CHAPTER 12 8番アイアンの夜

クラブからの契約延長の話が無く、焦れるジェラード。一ヶ月以上待ち、ようやくクラブからの具体的な条件が提示されますが、その内容は長くチームに貢献してきたジェラードに対し敬意を欠くものでした。クラブはもはやジェラードを必要としていないのか。

チームの調子も低調なまま。チャンピオンズリーグでレアルマドリードに連敗。マリオ・バロッテリがまた問題を起したりと、悪い事ばかり。

そんな中、現実逃避の意味合いもあったか、回想は輝かしいCLの思い出へ。2009年、リヴァプールはCLでレアルを撃破。特にアンフィールドでは4-0と粉砕しています。フェルナンド・トーレス、そして若き日のジェラードは誰にも止められなかった。

現実に引き戻されると、CLのレアル戦という大舞台でジェラードはベンチ。リーグのチェルシー戦のために主力を温存するという策でした。
ロジャース監督・・・たしかにローテは重要ですが、よりによってレアル戦で主力温存は無いですよ・・・大一番に出られず、トーレスもスアレスも去り、いるのはバロテッリ。惨めな気分になりますね。回想は悪いほうへと向かっていきます。

2005年の移籍騒動。もっと高いレベルでのプレーを望み、移籍で揺れるジェラード。フロントの対応のまずさもあり、移籍寸前のところまで行きますが、やっぱりジェラードの心はリヴァプール。家族の支えもあり気持ちを整理して改めて自らのキャリアを、リヴァプールに捧げる決心を固めました。

本当に移籍しないでくれて良かった。この時の事はよく憶えています。
ジェラードの移籍ほぼ確実の報に気持ちが真っ暗になり、それ以降まったく情報収集せず。しばらくしてふと見たニュースで残留が決まってて、呆気に取られました。
この時、ジェラードが移籍してたら、リヴァプールのファン続けてなかった、というかサッカー自体、見てなかったかもしれません。

若き日、自分の全盛期をどう使うのかで思い悩んだジェラード。それ比べると2014年は考えるのが簡単だったようです。
残り少ないキャリアをどう使うか。
ファンからするとてっきりリヴァプールで引退するものだと思っていましたから、衝撃は計り知れなかったけど、リラックス出来る環境で家族との時間を大事にしながらサッカーが出来るというのは、一人の人間としては魅力的な事だったのかもしれません。

しかし、それでもリヴァプールへの思いは断ちがたく、色々と物思いに耽る日々。
そんな中、回想はあのとんでもない事件へと辿りつきます。

2007年、チャンピオンズリーグのバルセロナ戦を控え、チームの結束を高めるために合宿を敢行するリヴァプール。
一晩だけ自由時間を与えられた選手達は、夜の街へと繰り出します。

カラオケバーでヨン・アルネ・リーセに歌わせようと、しつこく絡むクレイグ・ベラミー。
しかしカラオケが苦手なリーセは、頑なに拒否。
その態度に悪童ベラミーが激高し、一食触発の事態に。
その場はなんとかジェラードが押さえますが、リーセはそのまま腹を立て、ホテルへと帰っていきます。

その後もカラオケパーティーは続き、残った面々はだいぶ飲みすぎたようです。
特にイェジー・デュデクが酷かったとか。酔いつぶれて、店の外では警備員にケンカを売ったらしいです。
ジェラードはデュデクの事を、普段は世界一しっかりした男と評していますが、どうでしょうね。見るからに飲兵衛の顔してますが。

部屋に戻ってすぐ、ジェラードを尋ねて来たラファエル・ベニテス監督はひどくご立腹。
ベラミーとリーセがケンカしていると。
駆けつけてみると、そこには呆然としたスティーブ・フィナン。
真っ赤な顔をして8番アイアンを手に、リーセの部屋に向かうベラミーを目撃したフィナン。
心配になって追いかけみると、そこには信じがたい光景。

リーセをゴルフクラブで襲撃するベラミー。

その場はなんとかフィナンが止めて大惨事は間逃れますが、翌朝は散々。
メンバーの大半は二日酔い。警察には厳重注意。メディアにもばれ大騒ぎ。

最低最悪の事件ですが、そこは数々の信じられないドラマを生み出してきたリヴァプール。
色んな意味で大注目のバルセロナ戦で、ベラミーがゴール。
その喜びをエア8番アイアンをスイングというパフォーマンスで表現。これが伝説になるほどの大ウケ。さらにはリーセもゴールを決め、バルセロナを撃破。奇跡的な大団円を迎えます。

これ、冷静に考えたら殺人未遂で全然笑えないけど、なんか全てが面白い方向に作用してて、どうしても笑っちゃいますね。
ゴールパフォーマンもそうだし、監督が冷徹なベニテスだった事も、第一発見者が、物静かなイメージのフィナンだったって事も。きっちりオチがついた事も。
さすがネタクラブ、リヴァプール。

回想はさらに巡り、リヴァプールにやってきた大勢の選手に姿が浮かんでは消えていきます。
その中で特別な輝きを放っていたのがシャビ・アロンソ。
ほぼ1ページに渡り、彼の事を絶賛し、彼を失った事を嘆きます。

それに比べてというトーンで思い出されたのが、ジェラードとは犬猿の仲で知られる、エル・ハジ・ディウフ
ジェラードが嫌いなヤツはリヴァプールファンはみんな嫌い、という事でかなり評判が悪い選手ですね。ちょっと可哀想な気がします。まあ、実際かなり問題のある人物のようですが。

バロテッリと比べても全然ダメらしいです。バロッテリは人間的には好きだけど、ディウフは本気で嫌いらしい。

運命の移籍に向かって思い悩むところから始まった章の最後がこれかい。
重苦しい立ち上がりから一転、あの笑劇の事件。そしてディウフディス。見事な二段オチをつけてくれました。

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